■ 作品について ■

 すいらさんと会った時に、中世のイギリスのような雰囲気のお話を書きたい!いいねいいねー!というところから中世イギリスといえば英国紳士、そして怪盗!みたいな感じで、慌ててコンビニで小さなノートを買ってメモを始めて、あれよあれよと世界観が決まっていったような記憶があります。
 城、王国、魔女、懐中時計などのワードも、企画者の趣味全開!
 それぞれ一つずつ話を担当して考えて、その話ごとにキーワードを決めて〜と、それぞれ分担してシナリオを書いていましたが、そのシナリオを読ませてもらうたびにあれこれ口出ししたり勝手に修正したり、あと、流れだけばーっと決めて、肝心の穴埋めをお互い宿題にしたり…(「ここで『何か』があって」という記載が多かった・笑)。私にしては珍しくアクションがないよ!と思いながら我慢できずに伯爵に暴れさせてみたりしましたが、すいらさんがあれこれと地盤を固めてくれていたので、そこに色々と肉付けしてくのは楽しかったです。まあ、暴走した結果、3話が前後編になってしまったわけですが…(笑)。
今回は、真剣に線画を描かせてもらいましたが、すいらさんが色をつけてくれてデザインもしてくれて、色がつくと雰囲気まで変わって、本当に素敵に仕上がって幸せです。色とか本当に塗れないから…!!
シナリオだけじゃなく編集もそれぞれが担当しましたが、私は日常シーンの編集がとても苦手なので、すいらさんの編集の仕方をいっぱい参考にさせてもらって、わざと同じような効果音を入れたり同じ曲を入れたりと、世界観が違わないようにするよう、気をつけてみました。ドラマを聴いてくれた方が、どっちの企画者が編集したとか、気づかないで聞いてもらえれば成功かなと思いますが、どうだったでしょうか。
 お話も一応すべて自分の目を通ってはいるものの、どこか自分のものではない部分も多くあって、編集後のドラマを聴くとき、すごく新鮮な気持ちで聞けて楽しかったです。
 そして久しぶりのCV様募集、あわあわしましたが、二人でじっくり相談して決定して、急遽変更したりした部分もあったりして、そういうのは一人では混乱してしまうことも、きちんと二人で相談して結論を出せるという事が、すごく安心感も多くて。
TOPを飾るのが私のイラストで、果たしてCVさんは応募してくれるんだろうか…という不安もありましたが、そんな不安がすでに懐かしいです。細かい部分までリテイクをお願いしたりして、たくさんご迷惑もおかけしましたが、それぞれのキャラの呼吸が聞こえてくるようで本当に編集も楽しくて、おかげで、本編以外の小話への妄想がどんどん広がっていきました(笑)。
 やっぱり、思いついた妄想をすぐに話せて通じる相手がいるって素晴らしいですね!ありがとうございました!!

(ヤマトアキ)

 アキさんとは一度合同企画やりたいねーと言ってから結構経ってしまっていたのですが、本気で実行に移すにあたり、まっさらなものをやることにしました。やるにあたって何故ロンドンになったのかは覚えていませんが(笑)、一から考えることになりました。ロンドンについて調べたりしていくうちに、妄想が膨らんでいき、色々とキャラもできていくのですが、自分ではなかなか考えないキャラとか、雰囲気とかがアキさんから出てきたりして、妄想は大変面白かったです。私は絵を描かないとなかなかすすめない人なので、ラフでキャラ絵とか書いてみたり、アキさんも書いてくれたり。
 どうせやるなら全部自分たちでということで、イラストも結局自分たちで書くことにしました。線画をアキさんが描いて、私が色塗りという形にしたのですが、やっぱりこの作品はアキさんの線画が合うなーとしみじみ思っています。まぁ、私が線画に文句をつけるので、アキさんは大変だったと思いますが(笑
 この作品にも色々好きなものを詰め込ませてもらいました。秘密いっぱい夢いっぱい(笑)アカデミーあたりにのってくれるのが大変嬉しかったです。フェリオたちや、あの人たちのアカデミー生活をもっと書きたかったなー。私が単なる学園好きなわけですが(笑
 作品のシナリオも途中まで書いて、途中からまかせた!と言ってアキさんにパスしたり、結構自由な書き方をしていました。アキさんはわりとちゃんと組み立てながら書いていましたが(笑)でも、パスしてもちゃんと話を組み立ててくれるので、大変楽ちんです(笑
 今回この作品は、募集をかけてキャストを決めさせて頂いたのですが、久々の募集ということもあり、とても不安いっぱいでした。キャラも多いし、秘密も多いし(笑)果たしてやりたいといってくれる方がいるのかな?と不安になっていたのですが、まったくそんな心配は不要でした!
 キャラの声が決まると、そのキャラがようやくぴったりと枠にはまったような気がしていつもすきなのですが、今回も同じようにぴったりとはまってきました!皆さん活き活きと演じてくださって、そのキャラが本当に動いている姿を想像しながら編集することができました!楽しすぎて思わず顔がにやけながら編集…というのもしょっちゅうでした(笑
 あと、自分が編集してないのに完成しているという感覚が面白かったです。今回編集も分担したため、シナリオは知っているけど、完全に聞き手として楽しめるというおいしさを味わいました(笑)編集も結構編集する人に癖とか特徴があるため、「あーこのシーンはこう編集するのかー!」というのも楽しかったです!
 自分ひとりではなかなか味わえない企画作りを今回やることができて、本当によかったです。ありがとうございました。

(花織すいら)

■ 登場人物について ■

▽ベルベットリボンの手紙

「イギリスといえば貴族、貴族といえば、ご主人様と、それに仕える執事の組み合わせだ!」というところから生まれた伯爵。
最初の設定には「親の金で遊び暮らしている道楽息子的な(笑)本当は努力家で頭もいい。」とか書いてありました。レイ●ン教授のような紳士を描きたかったのですが、気づいたら別の方向に…。
あと、本編では誰も呼んでいませんが、【ラディスラス・ダイア・カータレット】という立派なお名前をお持ちです。
最初についていた仮のお名前は「AAA」でした。

作中で伯爵は「旦那様」と呼ばれていますが、
これは実は伯爵は一度結婚しているからです(奥様は若くして病死)。
その時、伯爵を慰めるため、懐中時計が友人から贈られた、という…

そんなちょっと不思議で謎の多い伯爵のところに出入りする、いわゆる岡っ引き的存在。てえへんだてえへんだ!!みたいなイメージから生んだ記憶があります。この子の性別は謎にしようね!なんて言っていたのに、みんな普通に当たっていた……あれ?
最初についていた仮のお名前は「BBB」以下略

将来的には、この赤毛は綺麗な金髪になってそばかすも消えて、美人に育つ予定だったりします。
朝から勝手に屋敷に入ってきてそこの執事にも良くしてもらって、まるで我が家のようにくつろいでいる彼女ですが、伯爵とキャリーとの関係は、企画者にも謎のままです(笑)

伯爵とほぼ同時に生まれた執事です。
この執事はなんとなく東洋系のイメージがあって、武術に秀でていて、この執事のお爺様仕込みとかいう設定でした(そういえば伯爵の一本背負いは執事仕込みかもしれません)。たいへんデキル執事なので、なんだか作中でもあちこちに神出鬼没な状態です。
この人は伯爵よりももっと謎な人になったような気がします。まるでお庭番のような存在になりました。企画者の趣味全開です!
そうそう、当然、最初のお名前はアレです。

事件物といえばやっぱり情報屋の存在は欠かせない。
そんなわけで、最初、街の情報を牛耳るガタイのいい普通のオッサンを考えたのですが、最終的には年齢不詳のこれまた不思議な謎のある少年ザックに生まれ変わりました。

実は街のだいぶ過去のこととか、人物関係などの謎も全部知ってそうな…。
どんどん妄想が暴走して、実はものすごく長生きなんだけど少年の姿を保っていてとかいう、たいへんファンタジーな設定もあったようななかったような。
元の名前以下略

▽古き血の残影

ロンドンといえば時計塔、時計塔といえばカラス、そのカラスを飼いならしている不思議な力を持つ一族の青年的な流れで出来上がったキャラです。カラスにそっくりな見た目かつ明らかに変わっているように見える…、ということでオッドアイにしました。なぜか最初からアカデミー出身というのは決まっていました。

家系のせいで、色々なことを諦めていたのですが、セイレスと出会って変わっていきます。「真実の宝石」ではセイレスにメロメロすぎて、企画者も正直びっくりでした。
ちなみにわりと最初からフェリオという名前だったと思います(笑

フェリオの相手役ということで考え始めたキャラですが、最初は一般市民の設定にしようとしていました。
最終的には、国の王女であり、王家のなかでは嫌われている、魔女の力を強く引き継いでいるという設定になりました。力が目覚めてからは、魔女だと言われるのが怖く、人に存在を否定されるのが怖いために、考えや思いを隠して自分自身を守っている、そんなフェリオとどこか似た境遇を持つ形になりました。
大人しいそうに見えて案外行動力のある子です。

セイレスが何故力に目覚めたのか、何故自分を認めてあげられなかったのか、最初のきっかけを作ってしまった人物として、一番近い「姉」という存在を出しました。セイレスの力を、見た目の変化を、怖いと感じてしまったのは、至って「普通」のことではあったのですが、幼さゆえに思ったままをセイレスにぶつけてしまいます。
それを本人もすごく後悔しているのですが、いつまで経っても素直になれないツンツンキャラになりました。セイレスと話すきっかけをつくるために、棘のある言葉を彼女に散々投げることになってしまいます。

企画者のなかではエマの兄とくっつけようとしています(笑

▽古き血の残影

フェリオもセイレスもテンション低そうだったので、とにかくテンション高い人物が必要だ!というバランス取りのために生まれたかもしれないキャラ。最初に決まったことはタレ目であることと、テンションが高いことだと思います(笑
とにかくいかにも大貴族な貴族ということで、三大貴族の1つゴーシュ家の一員という立ち位置に。何故か三男というのもすぐに決まりました。

予想以上にテンション高い、でも決めるときには決める!というキャラが出来上がりました。このキャラをイメージ通りに演じてくれる人がいるんだろうか?!と不安になりましたが、なんのそのでした。

街を騒がせている「怪盗」少女。怪盗をやるくらいだから行動的でハキハキしていて自分の考えをはっきり言えて身長もすらっと高めな子にしたいなと思っていました。
アノルドの相手役ということで考えましたが、やっぱりここは年上だろう!と年上設定。
セイレスがふわっとした髪質だったので、きりっとしたイメージにしたくてストレートにしました。
この物語のキーキャラとして「怪盗」をやることの裏に、とある事情があったため、最初から謎の多い登場でしたが、怪盗姿も颯爽として格好良いんだろうなぁと思います!

無表情で誰にも負けそうにないフェリオが、唯一苦手な人物ということで登場させた女性です。とにかく強い。キャラの中では最強!という設定です。
ゴーシュ家の一員なのでタレ目美人になりました。大変芯が強く、曲がったことが嫌いな彼女だったので、フェリオの後ろ向きな態度がいつも気になったんだと思います。面倒な人間関係は嫌いですが、ファッションセンスがよいため、常に社交界の場では、色んな人に囲まれる人気者。
彼女に唯一勝てるのは、旦那様であるラッセル子爵・マリウス(名前も決まってた!)だけです。彼は穏やかな性格のため、カリム自身も穏やかに過ごせているのだと思います。
もっぱらの彼女の心配は、弟のアノルドと後ろ向きなフェリオでした(笑

エマこと、エメライン・イーデンの兄。
せっかくなので外見も考えてみました。
伯爵とちょっとした知り合い、なんて位置づけで考えていましたが
最終的には語りの人もプラスして、かつてのアカデミー同級生という事になりました。
CDでも、昔そういう3人組がいた…なんてことがちらっと出ています。
何事にもスマートな伯爵とちがって、ちょっと無骨で不器用。
最後は、リヨンとばったり出会って…という展開も(笑)

シナリオでも「過去語り」「現在語り」と記載されています(ひどい
国や魔女、カリナンを巡る謎が結構大きくなってしまったので
それの説明係が欲しいなぁということで。
さすがに「語り」というのも可哀相(笑)なので、結局はちゃんと名前も考えました。でもいまだに企画者同士のやり取り上では「語りの〜」って呼ばれています…

NO IMAGE

■ キャララフなどなど ■

■ Royal Garden Record との繋がり ■

 2012春のM3で頒布した「Royal Garden Record」はこの作品の大元になる、フェリオとアノルドの出会い+リンディウム王国建国の秘密がちらりと覗ける仕様になっています。正直CDだけ聞くと謎がいっぱいという申し訳ない作品ですが、「Llyndium-リンディウム-」も合わせて聞くと、ちょっと楽しい感じにつくりました。どのキャラをどのキャストさんがやっているか等にも意味があったりなかったり。
ポイントとしては、
・アノルドの宿題の建国時代の魔女側と王国側の配役
・黄昏マダムの言う、「昔も3人の学生が…」は誰のこと?
・ルーサーは誰?妹って?
あたりでしょうか(笑
 お手持ちの方は、本編をすべて聞き終わったあとに聞いてみて頂けると、もう少し別の視点が見えてくるかもしれません。

■ 最後に ■

 今回、すーちゃんことすいらさんと初めての合同企画ということで、適当な妄想から始まって、いろんなことを二人で(一応)分担で作業してきましたが、公開前の色塗りの状況とか出来上がったばかりのドラマを一番に聴くとか、なんだかんだ自分的に美味しい作業がたいへん多くて、最初から最後までワクワクのし通しでした。
 キャストさんには特に「カリナン」のアクセントでご苦労をおかけしました(実は私自身も苦労しました・笑)が、どのキャラも個性的で本当にこの街に生きていて、きっとこれから先もそれぞれのストーリーが広がっていくんだろうなと思えるくらい、しっかりとそのキャラを息づかせてくださいました。
 公開の際のTwitter等でのRTや宣伝など、本当にありがとうございます。
 優しいキャスト様たちのおかげで、CD作品を作る、という初めての経験もさせていただけました。
 みなさま、本当にありがとうございました!(ヤマトアキ)
 とにかく作品やキャラに愛着がわきすぎて、本編が終わっていないにも関わらずCD作品作っちゃうとかむちゃをやりつつ、大変楽しく企画を進められました!上で語られている「カリナン」の発音については、完全に私のせいですが(笑)、どうしてもゆずらない私のせいで、キャスト様を困らせてしまいすみませんでした…!
 私の作業が遅くなかなか公開できないというのもあり、アキさんをはじめキャストの皆様にも大変ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。でもこの作品を作ることができ、こうして無事に完成することができたのも、皆様のおかげです。
 本当にありがとうございました!!(花織すいら)

最後までご覧くださり、ありがとうございました。rukSiA 2012.10.14

Copyright (C) rukSiA all rights reserved.