■散りゆく香り映る闇■
21分34秒/mp3
2012,3,11公開

■出演■

■初名(ハツナ)  :笑兵衛
■時雨(シグレ)  :方広寺悠宇
■木蓮(モクレン) :渡瀬絵美
■小母       :かがみもえ
■妖         :ヤマトアキ


■散りゆく香り映る闇■
−花に焦がれた春の術師の娘−


春の花守に仕える 小さく静かな集落

穏やかなその里に突如旋風を巻き込んだ一人の女
その一族の中で名を馳せ、やがて高名な女術師へと育つ

複数の式を従えて荒々しくも術を振るう
恐れられながらも人々の羨望を集めずにはいられない
忠実な妖と強く美しい娘にも恵まれた

その数十年後、梅の香りが
けぶるように辺りを包み込んでいた、雨の日―――



偉大な術師だった祖母が亡くなり、後を継いだ母も早世した。
初名は、期待されるほどの力を持たず
その無力さを、少女は誰よりも痛感していた。


■ 「散りゆく香り映る闇」登場人物 ■

 術師 −じゅつし−
 (見習い。未熟な自覚はある)

初名 (はつな)

■CV=笑兵衛

・「おれ」
・一応、術師ではあるのだがまだまだ見習いの域を出ない
・実力の伴わない自分に対してコンプレックスを抱いている
・祖母・母が、力のある術師だった
・本人は一生懸命やっているつもりなのだが、なかなか結果が伴わない
【サンプルボイス】

『小母様のとこの見習い!
おれより年下の癖に、男っていうだけでおれに指図するんだよ!』


『(大きく息を吸ってー)時雨の馬鹿やろーーーー!!
ああああああもうっ! 思い出すだけで腸(はらわた)が煮えくり返るっ!!』


『母さんみたいな、綺麗な花の名前が良かった。
そしたら、おれだって少しくらい……』
 

 妖 −あやかし−
 (意に添わぬ契約を守り続ける妖怪)

時雨 (しぐれ)

■CV=方広寺悠宇

・「私」
・初名の祖母に仕えていた式
・祖母・母の頼みで、初名にも従っているが、正式な「式」というわけではない
・冷たいわけではないのだが、初名に対しては少し冷淡に見える
・妖。位で言うとだいたい中位の上くらいの力の持ち主
【サンプルボイス】

『私は、アナタの祖母にならば仕えても良いかと思いヒトに関っていましたが、
彼女の遺言さえなければ私にとってアナタは何の価値もありません』


『(わざとらしい溜息)……だからアナタは馬鹿だと言うんです』

『…………だから私は、アナタの式になどなりたくはなかった』
 

 術師 −じゅつし−
 (花の名前を持つ使い手)

木蓮 (もくれん)

■CV=渡瀬絵美

・「わたし」
・初名の母親。力のある術師だったが、早世した
・常に穏やかで、優しい笑顔をたやさない女性
・時雨の事をなによりも信頼していた
【サンプルボイス】

『初名。いらっしゃい、髪を結い直してあげるわ』

『暗い闇の中でも、艶やかに強く匂いたつ、一番最初に春を告げる花―――。
わたしの、大好きな花よ』
 

 人 −ひと−
 (術師への仕事を斡旋する女)

 妖 −あやかし−
 (漆黒の炎を操る妖怪)

小母 (おば)


妖 (あやかし)

■CV=かがみもえ

■CV=ヤマトアキ

【サンプルボイス】

『…、あのお方の孫娘とはとても思えない。
せめて、…お母上さえ生きていらっしゃれば…』
【サンプルボイス】

『名乗らずとも、知っているはずだ。妖ならな』